回路設計

高速インターフェース規格の比較表!USB・PCIe・SDIなど一目瞭然

【PR】この記事には広告を含む場合があります。

37373200_semiconductor-isometric

回路設計のときに、「この規格とあの規格、何が違うんだっけ?」といったことはありませんか?

シリアル接続のインターフェース規格には、数kbpsの低速で通信するものから、ギガビット超えて高速通信する信号までたくさんありますよね。


この記事では、高速シリアルインターフェース規格のスペック(伝送レート・イコライザの仕様・基板のインピーダンス値など)を一覧表にまとめました。

回路設計業務に少しでもお役に立てれば幸いです。


高速信号規格の比較表

① 差動信号(プラスとマイナスの2本の信号線で通信する)

下の表は、主な差動伝送方式の信号規格です(数100Mbps以上)。信号規格によって、データレートや差動インピーダンスなどが異なっています。

スクロールバー(表の下にあります)で、横に移動できます。

ItemUSB2.0USB3.1(Gen1)USB3.1(Gen2)PCIe(Gen1)PCIe(Gen2)PCIe(Gen3)HDMILVDS
データレート
(1レーン)
FS: 12Mbps
HS: 480Mbps
SuperSpeed:
5Gbps
SuperSpeed Plus:
10Gbps
2.5Gbps5Gbps8Gbps8.16Gbps[1.4bまで]
48Gbps [2.1]
最大1.05Gビット/秒前後(可変)
(10Mbps:Max 15m)
エンコーディングNRZI8b/10b128b/132b8b/10b8b/10b128b/130bTMDS(8b/10b)規格になし
差動信号の種類D±,TX1±,RX1±左記と同じHSOp/n,HSIp/n,REFCLK±
data lane:×1,×4,×8,×16
左記と同じ左記と同じTMDS Data0±~2±,
TMDS Clock±(計4)
Data±(ユーザー仕様依存),
Clk±
差動インピーダンス90 ohm90 ohm90 ohm100 ohm85 ohm85 ohm100 ohm100 ohm
差動伝送回路CMLCMLCMLCML左記と同じ左記と同じTMDSLVDS
TX・RX間の接続方式DC結合AC結合
(DCカット)
AC結合
(DCカット)
AC結合
(DCカット)
左記と同じ左記と同じDC結合 or
AC結合
DC結合
TX側イコライザなしDe-Emphasis
(2tap): 3.5dB
De-Emphasis+
Preshoot(3tap)
Post 1
De-Emphasis: 3.5dB
Post 1
De-Emphasis: 3.5dB,6dB
De-Emphasis:-3.5dB,
6dB +Preshoot(3tap)
なし
(ケーブル側で対応)
規格になし
RX側イコライザなしCTLECTLE + 1tap DFEなしなしCTLE + 1tap DFEなし
(ケーブル側で対応)
規格になし
コネクタ ピン数Type A,B: 4pin
差動1ペア
Type-C: 24pin
A,B列:各差動3ペア
左記と同じカードエッジ
x1 laneの場合
SideA,SideB 各18pin
左記と同じ左記と同じType A: 19pin規格になし
規格団体USB-IFUSB-IFUSB-IFPCI-SIGPCI-SIGPCI-SIGHDMI ForumANSI/TIA/EIA-644
URLhttps://www.usb.org/https://www.usb.org/https://www.usb.org/https://pcisig.com/https://pcisig.com/https://pcisig.com/https://hdmiforum.org/https://www.ansi.org/

この表全体を見る


② シングルエンド信号(1本の信号で通信する)

下の表は、主なシングルエンド伝送方式の信号規格です。

ItemSDI
(Serial Digital Interface)
CXP
(CoaXPress)
GMSL
(Gigabit Multimedia Serial Link)
データレート(1レーン)3Gbps, 6Gbps, 12Gbps6.25Gbps, 12.5Gbpsユーザー仕様に依存
特性インピーダンス75 ohm75 ohm50 ohm
TX・RX間の接続方式AC結合
(DCカット)
AC結合
(DCカット)
AC結合
(DCカット)
コネクタBNCコネクタマイクロBNCFakraなど。
ユーザー仕様に依存
規格団体SMPTEJIIAMaxim
URLhttps://www.smpte.org/http://jiia.org/https://www.maximintegrated.com/
主な用途放送機器産業用画像機器など車載用カメラなど
電源重畳(PoC)


USB3(Universal Serial Bus)

USB3は、データ転送速度を向上させるために開発された最新の規格です。

ここでは、「USB3の特徴はこれっ」て内容に絞って紹介しています。もっとくわしい内容が知りたい方は、参考図書「USB3.2のすべて」を見てみてください。


データ転送速度

USB3規格は、従来のUSB2.0と比べて転送速度が大幅に向上してます。

転送速度は、以下のとおりです。表の上から、USB2.0、USB3.0、最後がUSB3.2の順で並んでいます。

規格最大データ転送速度レーン数
USB2.0480 Mbps1
USB3.05 Gbps1
USB3.110 Gbps1
USB3.220 Gbps2

USB3規格では、大容量のファイルを高速に転送することができます。


差動インピーダンス

USBの差動インピーダンスは、「90Ω」です。伝送レートによらず、USB2.0でもUSB3.2でも同じ値です。

情報を提供する人
情報を提供する人

PCI Expressの差動インピーダンスは、85Ω100Ωでしたが、USB90Ωです。


ACカップリングコンデンサ

USB3.x」でも、PCI Expressと同じです。トランスミッタ側だけに、USB信号上に直列に、ACカップリングコンデンサを挿入します。

下位規格の「USB2.0」では、ACカップリングコンデンサを挿入しません。ホスト~デバイス間は信号線を直結します。


電力供給機能(バスパワー)

USB3規格では、デバイスへの電力供給も増えました。

電力供給は以下のとおりです。表の上から、USB2.0、USB3.0、最後がUSB3.2の順で並んでいます。

規格電力供給 (最大)
USB2.0500 mA x 5V =2.5W
USB3.0900 mA x 5V = 4.5W
USB3.12 A x 5V = 10W
同上5 A x 20V = 100W ※
USB3.22 A x 5V = 10W
同上5 A x 20V = 100W ※

:USB Power Delivery (USB PD) という仕様により、USB3.1およびUSB3.2は最大100Wまでの電力供給が可能です。


USB2.0では最大500mAの電力供給でしたが、USB3.2では最大5Aまで増えました。この電力増加で、モバイルデバイスの充電や外部ハードドライブの駆動など、よりたくさんのデバイスの電力供給が可能になりました。


USB3では、古いUSB2.0デバイスも使える

USB3規格は、従来のUSB2.0規格と互換性があります。つまり、USB3ポートにはUSB2デバイスを接続することができます。

ただ、USB3ポートにUSB2デバイスを接続しても、USB2デバイスはUSB2の転送速度(最大480Mbps)のままで動作します。


【参考図書】USB 3.2のすべて (USB転送の基本から5〜20Gbps伝送のしくみまで)

USB転送の基本から5〜20Gbps伝送のしくみまで

「USB 3.2のすべて」は、USB 3.2の基本から高度な設計テクニックまでを網羅した一冊。著者は 畑山 仁さん(オシロなど測定器メーカーのテクトロの方)。

おすすめの対象読者は、「USB 3.2の高速信号設計をマスターしたい」って方です。

おすすめ理由

  • USB 3.2規格の基礎から応用までの知識を習得できる。
  • 10Gbpsの高速信号の基板設計ノウハウが身につく。
  • USB規格認証試験の方法を理解できる。


初めにUSB規格の進化とアーキテクチャを解説し、物理層、リンク層、プロトコル層の役割について、くわしい解説があります。

特に伝送レートが10Gbpsのプリント基板設計の勘所や、USB規格認証試験についての章は、回路設計現場での応用に直結する内容です。

また、Appendixでは、高速伝送技術やジッタとビット誤り率の関係についても深く掘り下げてくれてます。


この本の情報

以下の3部構成です。

  • 第1部 基礎知識
    第1章 USB 3.2の位置付け
    第2章 USBアーキテクチャ
    第3章 デバイスの動作
    第4章 コネクタとケーブル
  • 第2部 各層の役割
    第5章 物理層
    第6章 リンク層
    第7章 プロトコル層
  • 第3部 設計・評価
    第8章 USB規格認証試験
    第9章 10Gbps基板設計の勘所
価格4,400円(税込)
発行年2020年
著者畑山 仁 氏/野崎 原生 氏/池田 浩昭 氏/志田 晟 氏(共著)
ページ数424ページ
付録なし
出版社CQ出版


この本の感想

結論から言うと、この本はUSB3の回路設計をするエンジニアには絶対に読んでほしい一冊です。

特に印象的だったのは、10Gbps基板設計の勘所USB規格認証試験に関する部分。

たとえば、以下のような内容。

  • パターン設計のポイントやコンデンサの配置
  • ビアが差動信号へ与える影響

このような実際の回路設計で直面する課題の解決策がくわしくのってます。実務に直結する内容なので参考になりました。


内容的にちょっと難しかったのが、第6章「リンク層」と第7章「プロトコル層」でした。

というのも、USBの通信プロトコルやデータの転送に関する説明で、どちらかと言えばソフト開発者向けの内容だからです。

回路設計エンジニアであれば、この2つの章はざっと流し読みして、 第8章「USB規格認証試験」、第9章「10Gbps基板設計の勘所」をがっつり読むのがよいと思います。

USB 3.2の回路設計を本格的に学びたいと思っているなら、この本は外せない1冊です。この本を読むことで専門的な知識が身について、あなたの回路設計レベルはさらにアップすると思います。


>> USB 3.2のすべて (USB転送の基本から5〜20Gbps伝送のしくみまで) Amazon公式サイト


PCI Express

PCI Express(ピーシーアイエクスプレス)は、高速シリアルインターフェース規格の一つです。別名「PCIe」と略して言われこともあります。

用途は、たとえば、パソコンのマザーボードとグラフィックボードや無線LANボードなどをつなげるためのインターフェースとして使われています。

ここでは、「PCI Expressの特徴はこれっ」て内容に絞って紹介しています。もっとくわしい内容が知りたい方は、参考図書「PCI Express設計の基礎と応用」を見てみてください。


データ転送速度

転送速度は、以下のとおりです。表の上から、Gen1、Gen2、最後がGen6の順で並んでいます。

規格最大データ転送速度(1レーンあたり)対応できるレーン数
PCIe Gen12.5 GT/s (実質250 MB/s)x1, x2, x4, x8, x16
PCIe Gen25 GT/s (実質500 MB/s)x1, x2, x4, x8, x16
PCIe Gen38 GT/s (実質985 MB/s)x1, x2, x4, x8, x16
PCIe Gen416 GT/s (実質1.969 GB/s)x1, x2, x4, x8, x16
PCIe Gen532 GT/s (実質3.938 GB/s)x1, x2, x4, x8, x16
PCIe Gen664 GT/s (予想7.877 GB/s)x1, x2, x4, x8, x16

この表は、各規格の理論上の最大データ転送速度と対応できるレーン数を示しています。実際の転送速度やレーン数は、使用するデバイスやホストの性能、その他の要因によって異なる場合があります。


GT/sとは?

データ転送の世界では、さまざまな単位や用語が飛び交います。その中でも、特にPCI Express (PCIe) のスペックを見るときによく目にする「GT/s」という単位。これは何を意味するのでしょうか?

GT/sは「Giga Transfers per second」の略で、1秒あたりの転送回数を示す単位です。


ここでの「転送」とは、データのビットが1回線を通過することを指します。つまり、GT/sは「1秒間に何回ビットが通過するか」という速度を示しています。


なぜGT/sは、実際のデータ転送速度と違うのか?

GT/sが示すのは、ビットの転送回数ですが、これが実際のデータ転送速度とは一致しないのはなぜでしょうか。


その理由は、データ転送には「オーバーヘッド」と呼ばれる、実際のデータ以外の情報も一緒に送られるためです。このオーバーヘッドには、エラーチェックやデータの同期を保つための情報などが含まれます。

たとえば、PCIe Gen1では以下のとおり。

GT/sは2.5 ⇒ オーバーヘッドを考慮すると、実際のデータ転送速度は 250MB/s


GT/sは、データの転送速度を示す単位の1つで、1秒あたりのビット転送回数を示します。

しかし、実際のデータ転送速度は、オーバーヘッドなどの要因により、GT/sだけを見ても完全には理解できない部分があります。

したがって、実際のデータ転送の性能を知るためには、実際のデータ転送速度も確認することが重要です。

このように、データ転送の世界にはややこしいな用語や単位が多いですが、それぞれの意味や背景を知ることで、より深く技術を理解することができます。


次に、回路設計でおさえておきたいポイントをいくつか説明します。

  • 差動インピーダンス
  • ACカップリングコンデンサ


① 差動インピーダンス

PCI Expressの差動インピーダンスは、以下のとおり、伝送レートによって違います。

  • 2.5Gbps・・・100Ω
  • 5Gbps・・・85Ω


伝送レートによって差動インピーダンスが違うので、プリント基板を試作するときは注意が必要です。

もし、差動インピーダンスを間違えて基板を作るとどうなるでしょうか?

インピーダンス不整合による信号の反射で波形が乱れて、通信不良になる場合があります。

回路設計では、どの信号が何Gbpsで通信するか、伝送レートを事前に確認し、「基板パターン設計指示書」に適切な「差動インピーダンス」の値を記載するようにしましょう!



② ACカップリングコンデンサ

PCI Express規格では、トランスミッタ側(TX)の信号ラインにだけ、ACカップリングコンデンサを挿入します。PCI Expressのレシーバ側(RX)には、コンデンサを挿入しません。

下図の赤丸に注目してください。

serdes_parallel_vs_serial_6_1_pcie_1024


PCI Express規格コンデンサの容量
Gen1/2 (2.5/5GT/s)75nF~265nF
(0.075uF~0.265uF)
Gen3 (2.5/5/8GT/s)176nF~265nF
(0.176uF~0.265uF)

← 左の表は、ACカップリングコンデンサの容量です。

伝送レートが速くなるほど、容量も大きくなっています

引用規格:Transmitter Specification


カップリングコンデンサの容量が大きくなると、ハイパスフィルタのカットオフ周波数(fc=1/2πRC)が、低い周波数の方へずれます。

低周波の信号成分が通過しやすくはなりますが、容量が大きいほど充電時間が長くなるので、信号の立ち上りが遅くなって、伝送スピードが落ちる方向になります。

ACカップリングコンデンサは、適切な容量を選びましょう。

わたしの経験則では、PCIeのACカップリングコンデンサの容量は、0.1uFや、0.22uFが多いです。


差動インピーダンス」や「ACカップリングコンデンサ」は、以下リンクで解説しています。詳しく知りたい方は、こちらもぜひお読みください。

>>『SerDes』で使われている高速化の回路技術 5つ

あわせて読みたい
37322618_eelectric-board
『SerDes』で使われている高速化の回路技術 5つ

続きを見る

 


【参考図書】PCI Express設計の基礎と応用~プロトコルの基本から基板設計、機能実装まで

プロトコルの基本から基板設計,機能実装まで

PCI Expressの回路設計を基礎から応用まで学べる1冊です。著者は 畑山 仁さん(オシロなど測定器メーカーのテクトロの方)。

対象読者は、「PCI Expressの回路設計の実務を身につけたい」って方向けです。

おすすめ理由

  • PCI Express規格の全体像を把握できる。
  • 高速信号ボード設計のノウハウが身につく。
  • 豊富な実例や図解で、理論だけでなく回路設計の実務にも役立つ。


PCI Express規格の基礎から、アドイン・カードのハードウェア設計、高速シリアル信号の測定技術、ソフトウェアの階層構造とハードウェアとの関連付けまで、幅広く解説。

PCI Express規格を「ざっくり知りたい」という目的であれば、この本より、ウィキペディアなどを見る方がいいかなと思います。

実践的な内容が詰め込まれているので、PCIeをくわしく知りたい方はぜひご一読ください。


この本の情報

以下の12章です。

  • 第1章 PCI Expressの基礎知識
  • 第2章 伝送方式とプリント・パターン設計
  • 第3章 PHYチップを使った基板設計
  • 第4章 アドイン・カードの電源設計
  • 第5章 FPGA用IPコアの選び方
  • 第6章 IPコアを使ったFPGA設計入門
  • 第7章 IPコアを使ったLSI設計事例
  • 第8章 信号品質の評価方法とコンプライアンス・テスト
  • 第9章 ジッタ仕様と測定環境
  • 第10章 ソフトウェアの階層構造とハードウェアとの関連付け
  • 第11章 PCI Expressソフトウェアの役割
  • 第12章 ハードウェア接続時の初期化処理
価格2,750円(税込)
発行年2010年
著者畑山 仁 氏
ページ数328ページ
付録なし
出版社CQ出版


この本の感想

PCI Expressの回路設計を行う方は一度は目を通しておくべき一冊だと思います。

その理由は、教科書的な本ではなくて、実際の設計現場でのノウハウや経験に基づいた実践的な内容がたくさんのってるからです。
(発行日が確かに古いですが、設計の考え方は今でも通用する内容と思います)


たとえば、以下のとおり。

  • 高速シリアル信号の基板設計のポイントについて、くわしいガイドラインが提供されている。
  • ジッタの特徴や実際の測定を想定した具体的なアドバイスや、測定時の注意点などがくわしく説明されている。
  • PCI Expressのシステム構成やプロトコル階層の詳細な解説があり、これまでの知識をさらに深めることができる。

これらの内容は、実際の回路設計や評価の現場での作業をスムーズに進めるための価値ある情報と思います。


あと、Linuxのデバイスドライバーの解説までのっています。わたしはハードウェア設計が仕事なので実務に直接は関係ないですが、周辺知識として、ソフトウェア開発者と会話するときの参考になりました。


もしこれからPCI Expressの回路設計を始めるのであれば、規格の基礎から測定情報まで解説されているので、まさにぴったりの本だと思います。ぜひ一度目を通してみてください。


>> PCI Express設計の基礎と応用(Amazon公式サイト)


SDI(Serial Digital Interface)

概要

SDIは、放送機器で主に使われています。

伝送レートは、3Gbps、6Gbps、12Gbpsなどがあり、特性インピーダンス75Ω の同軸ケーブルで接続します。

SDIの規格書(有料)は、以下から入手できます。

>>SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers:米国映画テレビ技術者協会)の公式サイト


SDIでよくハマるのは、『リターンロス試験』

SDIの実機評価でハマることが多いのは、「リターンロス試験」です。

「リターンロス試験」は、SDI信号の特性インピーダンスの「75Ω」に、作った基板がどれだけ合わせ込みができているか? を評価する試験です。

12G-SDIの高周波になると、基板パターンの引き方を数mm変えるだけ特性が大きく変わって、不合格になる場合があります。

SDIのリターンロス試験に合格するには、「プリント基板のシミュレーション」を活用するのがオススメです。以下リンクでシミュレーションの活用について説明しています。ぜひご覧ください。

>>SDIリターンロス試験はシミュレーションで攻略!失敗しない基板パターン設計

あわせて読みたい
pcb, print circuit board
SDIリターンロス試験はシミュレーションで攻略!失敗しない基板パターン設計

続きを見る


GMSL(Gigabit Multimedia Serial Link)

概要

GMSLは、Maxim社の製品カテゴリーの1つです。

非圧縮データを伝送し、最長15mの同軸またはシールド付きツイストペア(STP)を使って高速なデータ伝送が可能な規格です。

Maxim社ICのGMSL端子は、差動信号(100Ω)・シングルエンド信号(50Ω)の両方の伝送方式に対応しており、回路設計者がどちらで接続するか選べるようになっているICがあります。

>>Maxim社の公式サイト


GMSLでよくハマるのは、『電源重畳回路(PoC)』

GMSLには「リターンロス規格(反射損失)」や「インサーションロス規格(挿入損失)」などがあります。SDI規格と同じく要求スペックはかなり厳しいです。

特に注意したいのは、信号ラインを使って電源を供給する「電源重畳回路(PoC)」の場合です。

この電源重畳回路に『Gbpsオーダーの高速信号を通したい。』、となると基板パターン設計の難易度が急にあがります。


PoC回路を作る部品は「インダクタ」と「コンデンサ」でシンプルですが、ギガビットの高速信号をPoC回路にきちんと通すには、プリント基板配線の高周波での振る舞いをしっかり理解しておくことが重要です。

以下の記事では、回路設計の現場で使えるPoCの『回路設計チェックリスト』を紹介しています。設計者の方にお役に立つと思いますのでぜひ目を通してみてください。

>>PoC(電源重畳)。ギガビットの高速通信でもきちんと動かす! ~回路図チェックリストあり~

あわせて読みたい
44677494_semiconductor
【PoC(電源重畳)】ギガビットの高速通信でもきちんと動かす! ~回路図チェックリストあり~

続きを見る


まとめ:高速シリアルインターフェース規格

この記事では、主な高速シリアルインターフェース規格のスペック(伝送レート・イコライザの仕様・基板のインピーダンス値など)を一覧表にまとめました。

日々の回路設計業務が少しでもラクになれば幸いです。


>> 電源重畳(PoC) | ギガビットの高速通信でもきちんと動かす! ~回路図チェックリストあり~

あわせて読みたい
44677494_semiconductor
【PoC(電源重畳)】ギガビットの高速通信でもきちんと動かす! ~回路図チェックリストあり~

続きを見る


-回路設計