IoT

『IoTとは?』身近な例をまじえて仕組みを簡単にわかりやすく解説

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Internet of things IoT

最近、「IoT」という言葉をよく聞くようになりましたが、実際には何を指すのでしょうか?

  • IoTっていったい何?
  • IoTって何ができるの?
  • IoTの仕組みは?

IoTは今の生活に欠かせない存在になっていますが、初心者の方はいろいろギモンがあると思います。

そこで今回は、初心者の方でも理解しやすいように、IoTについて超ざっくりと解説していきます。IoTに興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。


この記事の内容

  • IoT(アイオーティー)とは?
  • IoTが活用されている身近な例(代表例5つ)
  • IoTシステムの基本構成(3つ)
  • センサーの種類(代表例5つ)

この記事を書いているわたしは、デジタル回路設計歴20年です。これまでの経験と知識を活かし、現在はマネージャーとして商品企画や開発チームのサポートを行っています。


IoT(アイオーティー)とは?

IoTの意味

IoT」とは、「Internet of Things」の略で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。

ここで言う、「モノ」とは、インターネットにつながる現実の「機器」や「装置」のことを指します。

具体的には、スマホやセンサー、カメラなどです。


IoTを別の言い方をすると、IoTとは『インターネットにつながったいろいろな機器同士が、データをやり取りする仕組み』のことです。


Things=「モノ」= 機器・装置

「Internet of Things」の「Things」の部分が、「モノ」にあたります。


IoTの仕組み

モノ」(例:センサー、スマホ)がインターネットにつながると、いろいろなデータを集めてきます。

その集まったデータは、インターネットを通じてサーバー(クラウド)に送られ、AI(人工知能)で分析されます。

このように、集まったデータは、わたしたちの生活をより便利にするために役立てられています。


IoTはいろいろな分野で使われている技術です。では、IoTを使うことで実際何ができるのか?

次は、IoTが使われている身近な例を紹介していきます。


IoTが活用されている身近な例(代表例5つ)

IoT Smart Home

ここでは、IoTの代表例を5つ紹介します。

  • スマートホーム
  • スマートウォッチ
  • スマート工場
  • スマート農業
  • 自動運転


① スマートホーム

スマートホームとは、自宅の家電製品や機器をインターネットにつないで、自動制御することができる家のことです。

スマートホームの例

  • 音声で操作できるスマートスピーカーを使って、エアコンの温度調節や、照明のON/OFFを自動で行うことができる。
  • 外出中でもスマホから自宅のエアコンをONにして、帰宅時には快適な温度にできる。
  • 自宅にセキュリティカメラを設置し、スマホで家の状況をリアルタイムに確認できる。

このような快適さと省エネを実現するスマートホームは、今後ますます需要が増えていくことが予想されます。


② スマートウォッチ

スマートウォッチとは、健康管理やフィットネスを目的として開発された、腕時計型のデバイスです。

スマートウォッチの例

  • 歩数や心拍数、消費カロリーをスマホに記録することで、運動プランの作成や健康管理の効果を見える化できる。 
  • 睡眠の質を測定し、改善するためのアドバイスを提供することができる。
  • 筋トレやランニングの計測、健康管理、音楽の再生などができる。

このように、スマホと連携して通知や着信、日常生活に欠かせないアクセサリーとして定着しています。


③ スマート工場

スマート工場は、IoTやAI、ロボットなどを活用して、工場の生産ラインを自動化した工場のことです。

スマート工場の例

  • 生産ラインの自動化により、製品の品質管理、工程管理、材料の在庫管理を最適化できる。
  • センサーを使って生産状態をモニタリングし、異常があれば自動で不良品を取り除いて、不良品を減らすことができる。

このように、工場にIoTの技術を導入することで、生産性の向上や、製造コストの削減ができるようになります。


④ スマート農業

スマート農業とは、IoTやAI、ロボットなどの技術を活用して農作業を効率化する取り組みです。

スマート農業の例

  • 自動運転トラクターや農作業用ロボット、農業用ドローンを使って農作物の状態をモニタリングすることができる。 
  • センサーで、温度・湿度・気圧などの気象情報を測定し、自動で植物に必要な水や肥料を供給することができる。
  • スマホを使って、遠隔から農場の状態をチェックすることができる。

このようにIoTの技術により、労働時間の削減や作物の生産性向上など、農業は進化しています。


⑤ 自動運転

自動運転とは、ヒトに代わって、 GPSやカメラなどのセンサーを使って自動的に運転する車のことです。

自動運転の例

  • 渋滞中でも「自動運転システム」に運転をまかせて、ドライバーは自分の仕事をしたり、読書を楽しんだりできる。
  • 長距離の運転などで疲れや眠くなったときでも、「自動運転システム」が代わりに運転してくれる。
  • スマホと連携して、音声で操作することができる。

このように、自動運転は人々の移動を快適にし、今後ますます発展していくことが予想されます。


IoTシステムの基本構成(3つ)

Internet of things IoT Cloud

IoTシステムは、大きく以下の3つで構成されています。

  • IoTサーバー・・・収集したデータを蓄積・分析するコンピューター。AIでデータ分析をする。
  • IoTゲートウェイ・・・「IoTデバイス」からデータを受け取って「IoTサーバー」へ転送する装置。
  • IoTデバイス・・・データを収集する装置。実体は、「CPU」と「センサー」を組み合わせた制御装置。


そして、上記3つ要素はネットワークを通して、以下のようにお互いにつながっています。

  • まず、「IoTデバイス」がデータを収集します。
  • 次に、そのデータを「IoTゲートウェイ」がネットワークを通して「IoTサーバー」へ送信します。
  • 最後は、「IoTサーバー」上に蓄積されデータを、AI(人工知能)が分析する。


つづいて、IoTシステムを構成する3つの要素について、もう少し説明します。

① IoTサーバー

IoTサーバーとは、IoTデバイスから収集されたデータを蓄積・分析・可視化などいろいろな処理を行うサーバーのことです。

IoTシステムの中では、システム全体の管理や運用に欠かせない存在です。

IoTサーバーは、大規模なデータセンターやクラウド上に設置されることが多く、セキュリティや信頼性が求められます。


② IoTゲートウェイ

IoTゲートウェイとは、IoTデバイスとIoTサーバー間のデータ通信を中継する装置です。

IoTゲートウェイが一旦、データの中継を行うことで、IoTサーバーは、大量のIoTデバイスと直接通信する必要がなくなります。

これにより、ネットワーク上のデータ通信の混み具合をおさえられたり、サーバーのデータ処理を少なくしたりすることができます。


③ IoTデバイス

IoTデバイスとは、データを収集する装置(機器)のことです。実体は、「CPU」と「センサー」です。

  • CPU・・・デジタルデータを処理するための部品です。
  • センサー・・・外部環境から状態を測定するための部品です。温度、湿度、音、照度などを検出できます。

CPUセンサーを組み合わせることで、さまざまな外部環境の状態をデジタルデータとして収集できるようになります。


以上のように、IoTシステムは、「IoTサーバー」、「IoTゲートウェイ」、「IoTデバイス」の3つで構成されています。


IoTで使われている無線通信規格

IoTで使われている無線通信技術を5つ紹介します。以下は、各通信方式の比較表です。

通信方式通信速度通信距離消費電力接続台数コスト特徴利用シーン
5G
5G Forum
最大20Gbps約100m100万台超高速
多数同時接続
超低遅延
自動運転
遠隔診療
LPWA
LPWA Forum
1-100kbps数km~数十km数十億台長距離通信
低消費電力
農業用センサー
Wi-Fi
Wi-Fi Alliance
最大3.5Gbps約100m約250台高速通信
消費電力が大きい
 
BLE
Bluetooth SIG
最大1Mbps約10m1-7台低消費電力
近距離通信
ビーコン
Zigbee
Zigbee Alliance
最大250kbps約10-100m約65000台低消費電力
近距離通信
スマートホーム


上記のとおり、各通信方式には速度の速いものや遅いもの、また、通信距離が長い短いなど、それぞれ特徴があります。

IoTの用途に合わせて適切な通信方式を選ぶことが、IoTの効率的な運用につながります。


センサーとは?

IoT-sensor-technology

ここでは、「IoTデバイス」の中に搭載されている重要部品「センサー」について解説します。


センサーとは、周りの環境の状態を測定するための部品です。

測定できる状態としては、温度、湿度、位置、光、音声などです。

「センサー」は、IoT技術の中心となる部品で、モノのデジタル化を可能にしています。


このセンサーのおかげで、いろいろな情報をデジタルデータとして取得することができます。

次は、センサーにはどのような種類があるのか?、見ていきましょう。


IoTセンサーの種類(代表5つ)

センサーには、どのような種類があるのでしょうか?

ここでは、センサーの代表的な種類を5つ紹介します。

  • 加速度センサー
  • ジャイロセンサー
  • 磁気センサー
  • 温度センサー
  • 照度センサー


① 加速度センサー

加速度センサーは、物体の加速度を検知して、電気信号に変換するセンサーです。物体がどの方向にどの程度の速度で動いているかを測定することができます。

たとえば、スマホのタテ位置・ヨコ位置の検出などに使われています。


② ジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、物体の回転や向きの変化を角速度として検知するセンサーです。(コリオリ力を利用)

たとえば、カメラの「手ぶれ補正」はジャイロセンサーによるものです。


③ 磁気センサー

地磁気センサーは、地磁気の微弱な変化を検知するセンサーです。電子コンパスとして使用されます。


④ 温度センサー

温度センサーは、温度を測定するセンサーです。

たとえば、冷蔵庫の温度管理や、自動車のエンジンの温度管理 など、いろいろな分野で使われています。


⑤ 照度センサー

照度センサーは、光の明るさを検知するセンサーです。

たとえば、スマホなどの画面の明るさの自動調整や、照明の自動制御などに使われています。


IoTを導入するメリット・デメリット

それでは、IoTを導入するメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?

メリット・デメリット、それぞれについて説明します。


IoTを導入するメリット

IoTのメリットは、以下のとおり。

  • 遠隔地にある「モノ」(機器)の情報をリアルタイムで収集できるので、より正確な分析・予測ができる。
  • 自動化により、作業の効率化や人的コストを削減できる。
  • ユーザーの行動パターンを把握することで、ユーザーがより満足するようなサービスを提供できる。
  • 製品の故障を予測し、事前に修理やメンテナンスを行うことができる。
  • 安全管理や健康管理の分野でも使われており、効率的な業務遂行が可能となっています。


IoTを導入するデメリット

一方、IoTのデメリットは以下のとおり。

  • IoT機器はインターネットにつながるため、セキュリティ上のリスクが高まり、情報漏洩のリスクがある。
  • IoT機器の修理や交換に、時間と手間がかかることがある。
  • IoTデバイスの導入や維持には、高いコストや専門知識が必要な場合がある。


どのような技術にも言えることですが、IoTにもデメリットがあります。

IoTを導入するには、上記のような問題に対処する必要がありますが、それでもIoTを導入するメリットはたくさんあります。


まとめ:IoTは世の中を便利にしてくれる

この記事では、「IoT(モノのインターネット)とは何か?」について超ざっくりで解説しました。

IoTとは、広い意味では、「モノ」と「モノ」をインターネットでつないで、情報をやりとりする仕組み、のことです。


身近なIoTの例をあげると、スマートホームや、スマートウォッチ、車の自動運転があります。

このように、IoTは、今の社会において欠かせない技術であり、わたしたちの生活をより便利にしてくれる存在です。

インターネットにつながるデバイスは日々増え続けています。IoTのテクノロジーはこれからも進化を続けていくでしょう。


よくある質問(FAQ)

Q. IoTは何に使われていますか?

A. IoTは物理的な機器を互いやインターネットに接続し、データを交換したり分析したりすることで、それらの機器の改善や管理を行うことができます。


Q. IoTのメリットは何ですか?

A. IoTはさまざまな産業で効率性や安全性や便利さを向上させることができます。

たとえば、製造業では生産性や品質を高めたり、交通では渋滞や事故を減らしたり、医療では患者さんの健康状態をリアルタイムで把握したり、農業では作物の成長や収穫量を最適化したりすることができます。


Q. IoTのリスクは何ですか?

A. IoTのリスクにはセキュリティやプライバシーの問題や相互運用性の問題があります。

たとえば、不正アクセスされてデータが盗まれたり改ざんされたりする恐れがあります。

また、異なるメーカーや規格のIoT機器同士がうまく連携できない場合もあります。


Q. IoTにはどんな課題がありますか?

A. IoTには、以下の3つの大きな課題があります。

・相互運用性(インターオペラビリティ)

・セキュリティ(安全性)

・データプライバシー(個人情報保護)


Q. IoTをもっと安全にする方法はありますか?

A. IoTをもっと安全にする方法は、たとえば、

・暗号化(データを読み取れないように変換すること)

・ソフトウェア更新(最新版にして不具合や脆弱性を修正すること)

・認証(本人確認)

・個人パスワードの変更や、不要な機能をオフにする

などがあります。


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